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太陽に元気がない。 太陽活動が盛んになると表面に増える「 黒点 (こくてん) 」が、

極端に少ない状態が昨年から続いている。 黒点の数は約11年周期で増減を繰り返し、

今頃は次々と現れるはずだが、いっこうに増える気配がない。 このまま長引くと地球の

気候に影響を及ぼす恐れがあり、科学者はその推移を注視している。

太陽の活動が活発になるとガスの対流が盛んになって磁力が発生しやすくなり黒点が

増えると考えられている。

黒点は内部の磁場を乱すため、黒点数が増えると太陽の磁場は弱まり、南北方向の

地場が反転。 この期間が約11年で周期となる。 ただ、南北の磁界の向きは最初と

反対になるため、元に戻るのはさらに11年かかる。 つまり、太陽の磁場は約22年で

変動を繰り返す。

 このまま太陽が不活発な状況が続くと心配されるのが、地球の気候への影響だ。

1645 - 1715年、黒点はほとんど観測されなかった。 英国のテムズ川が凍った。

農作物が実らず世界規模の飢饉(ききん)に直面したという。 ただ、日射量は黒点が

多い時より0.1%減る程度。 エネルギーの収支を単純に計算すると、気温はセ氏

0.1度ほど下がるだけ。 地球温暖化のブレーキをかけるような効果はない。

黒点が現れないと、太陽風が弱まり、遠くの銀河から来た宇宙線が邪魔されずに

地球に降り注ぐ。 宇宙線が大気にぶるかると氷をつくる核が増えて雲が増加、日射

をさえぎる。

このため、地表の気温が下がる。 欧州宇宙機関(ESA)などによると、現在の太陽

風は過去50年で最低水準だ。

これまでも50-100年ごとに太陽活動のピーク時に現れる黒点が多い時期と少ない

時期を繰り返していた。 今後も黒点の推移から目が離せない。

☆ 太陽黒点の観測

  黒点を初めて観測したのはガリレオ・ガリレイとされる。 1611年、天体望遠鏡で

  太陽をのぞき「 斑点がある 」と叫んだ。

  ドイツの天文学者シュワーベが1826年から17年間かけてほぼ毎日、黒点を記録、

  11年周期で増減することを見つけた。

* 日本経済新聞 2009年3月22日号から。