子供のころ網を持って「やんま」を取るのに夢中で、水田の中に入り、水田の持ち主の
おじさんに追いかけられて逃げまどったのを思い出した。足は早くはなかったが、捕ま
りはしなかった。
そしてこんなこともあった。家の裏庭で塩辛トンボがとんでいるので、じっと立って腕を
のばし、人差し指だけを突き出していたらそのトンボが人差し指に来てとまった。
7~8才のころは、岡山の家の近くにはまだ水田が沢山あり、家の前の川もふたされ
てなく、夏には夜になると川下からウナギがバシャバシャ音をたてて登ってくる。水草
の中にはドジョウや鮒がいて篭や網をもってすくいに行く。子供のころは天国だった。
先週土曜日に岡山へ帰ってきた。家の周りの水田はトックの昔に宅地になり、川は
両岸がコンクリートでかためられ、川はコンクリートでふたされて、川も見ることができ
ない。
わたしの子供時代は記憶の中だけになってしまった。再び帰ってはこない。