晴れ着

「晴れ着」という言葉に残る「ハレ」は、仕事を休んで祭りや祝い事をする特別な日を指した。
これに対し労働にいそしむふだんの暮らしは「ケ」だ。
民俗学者の柳田国男はのの二つの軸から日本の生活文化をとらえ直した。
着物の色にせよ、昔からハレには鮮やかで派手な色、あるいは黒や白という神聖な色が
用いられる。
これに対しふだん着はあえてくすんだ色と地味な模様を用いた。
だが近代化とともにその区別が薄れてきたきたことについて柳田はこう述べる。
「 理由はケとハレとの混乱。 即ち稀(まれ)に出現する所の昂奮(こうふん)というものの
意義を段々に軽く見るようになったことである。
実際現代人は少しずつ常に昂奮している。
そうして疲れてくると、初めて以前の渋いという味わいを懐かしく思うのである。 」
これは今から約80年前の指摘だ。
昔の人が見ればケもハレもない毎日が祭りのような暮らしとなった「 現代人 」だ。
出典 : 毎日新聞 2010年3月5日号 「 余録 」
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