禅 語 : 以心伝心 ( いしんでんしん )

広辞苑には、「 禅家で、言語では表わされない真理を師から弟子の心に伝えること。 」
とある。
大法輪 2010年1月号 禅語百選 にはつぎのとおりある。
「 心をもって心に伝える 」と読む。
この語句は「 不立文字 ( ふりゅうもじ ) 」と一対である。
仏法の奥義は経典や文字では伝えることは不可能で、心から心に伝えられるという意味
である。
多くの場合、この意味をそのまま受けて、安易にこの語句を使っているが、仏教の心の
意味はこうである。
心は身体のどこに、どんな形で、どんな色をしている代物かわからない。
心は不安定で、制しがたく、捉(つら)えがたく、形がなく、見がたく、好きなようにさまよい、
どこか胸の奥に潜(ひそ)んでいるらしいと釈尊は「 法句経( ほっくきょう ) 」で説かれた。
こんな心が向かい合って何かを伝えることができるだろうか。
仏教では心は身体の感覚作用を総称したものをいい、からだが感覚する働き全体、人の
行動そのものである。
したがって、正しい習慣を身に付けて、煩悩( ぼんのう )が起こらないようにこだわりを
離れた生き方、その行いを以心伝心の心で表したのである。
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