服喪とは?

喪中ハガキを出すということは、その人の血縁者が亡くなったことを伝え、当人が喪に
服していることを報せるためだろう。
実際、どのハガキを見ても、亡くなった人のことが記されているが、ここで改めて
「 喪に服す 」ということについて考えてみたいと思うのだが。
服喪とは、近親者が亡くなった場合、一定期間、その人の死を悼み、身を慎むことである。
これについて、古くから守るべきこととして、門戸を閉じ、酒肉を絶ち、弔(ちょう)せず、
賀せず、嫁取りをせず、音曲をなさず、財を分かたず ・・・ などと記されている。
これらは、故人との血縁関係の深さにもよるだろうが、今、ここまで厳格にやっている人は
いないだろう。
むろん、皇室関係などは例外だろうが、一般のあいだでは、門戸を閉じたり、酒肉を絶って
音曲をなさず、などというわけにはいかない。
要するに、服喪といっても、各々の心の中で故人を思い、弔うことに尽きる。
そこで喪の機関だが、一般的には四十九日、と記されている。
その期間だけは、あまり派手なことはしないように、ということのようである。
たしかに、このあたりまでは納得できるし、従うべきかもしれないが、四十九日が過ぎたら、
一応喪は明けたと考えて、普通の生活に戻るのが自然だろう。
改めて気がつくことは、喪中はガキが形式的になりすぎていることである。
毎年、年賀状を書きだすころまでに身内の者が死んだら、年末には喪中ハガキを出す。
当の本人が喪に服していようがいまいが、ハガキを出すときだけは喪中になる。
出典 : 週刊新潮 2009年12月10日号。
渡辺淳一著 「 喪中ハガキを考える 」から。
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