
満中陰と言ってピンと来ない方でも、「 四十九日 (しじゅうくにち) 」のことですよ、
と言えば「 うん、知っている 」と大きく頷(うなず)いてくれるでしょう。
極めて大まかに説明しますと、人は亡くなると、肉体を離れて別の存在になり、
( 「魂」という概念は仏教にはありませんので、ご注意を )七日毎に生まれ変わり・
死に変わりのような状態を繰り返して、そのうちに次の生の「 行き先」 ( いわゆる
「 転生 」のことです )が決まる ・・・・ という思想が、仏教にはあります。
この肉体を持たずにさ迷う(?)期間は「 中陰 」、あるいは「 中有 (ちゅうう)」と
呼ばれています。
ですから、亡くなった日を1日めと数えて、最初の第一週の区切りが初七日
( しょなのか )忌、五週めがいわゆる「 三十五日忌 」、七周めが「 四十九日忌 」
満中陰忌となります。
文字通り、さ迷える「 中陰 」期間が満ちて、次の生の「 行き先 」が定まるのが
七日 X(かける) 七週 の四十九日めだからなのです。
また、中陰期間のさ迷える存在は、梵語(ぼんご)で「 ガンダルヴァ 」( 乾闥婆、
けんだつば )と呼ばれ、香が好物ゆえに「 食香 (じきこう ) 」とも訳されます。
「 通夜 」の項で、「 香を絶やしてはいけないのは、本当は四十九日忌までですよ 」
と申し上げたのは、こうした理由からなのです。
なお、香食に供える香は、上等のものほど良い、とされています。
さ迷いながらも、香りグルメというのか、贅沢者なんですね。
出典 : 「 葬儀・法事で聞く仏教語 」 朝野倫徳氏著
大法輪 2009年10月号 ( 有限会社大法輪閣 発行 )