イスラム教はなぜ豚肉を禁じじるのか? ②

ウシやヤギはミルクをはじめとする乳製品を、ニワトリは卵をといったように、肉だけに
とどまらず、さまざまな副産物を提供してくれる家畜だが、ブタは労役にもならなければ
毛も繊維には向かない。 という意見もある。
また、以下のように食衛生、生態環境の両面からの考え方もある。
第一に、中東のような暑くて乾燥した地域では、豚肉は腐敗しやすく、これを食べると
食中毒にかかりやすい。
第二に、不潔な食べ物を摂取するブタは病気に感染している危険性が高い。
第三に、絶えず移動を強いられる遊牧中心の中東では、定住性の家畜であるブタは
生態環境に適さない、等といったものだ。
古代オリエントの人たちは、生活を合理的に営む知恵として、神の啓示という建前を
借りながら豚食を禁じたのだろう。
豚は汗腺をほとんど持っていないので、自らが体温調節をコントロールできない。
泥んこの中を転げ回る光景をしばしば目にするが、あれは発汗できないブタの体温
冷却のための生理的な動作なのである。
したがって、中東で養豚業を営もうとすれば、風通しの良い場所を選び、直射日光を
さえぎるための日陰や泥水たくわえた場所を作ってやる必要があり、とてもではないが
飼育コストに合わない。 これは中東に限った話ではなく、乾燥地域の遊牧民すべてに
当てはまるだろう。
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