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彼岸(ひがん)の意味内容

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彼岸は古代インド語の「パーラ」の訳語である。

「パーラ」という言葉は、バラモン教の最古の聖典に用例があり、「河や海の向こう岸」、

「空間や雲や闇を越えた向こう岸」、「仕事の完了」、「学芸の完成」等の幅の広い意味

を」持つ。

この語は仏教の最初期の経典に採用され、「パーラ」(彼岸・悟りの境地)は、「アパーラ」

(此岸(しがん)・苦悩の現実)と対比して用いられる。

更にまた、のちになると、「パーラミター」という述語が形成される。

この語には二種の語源解釈が可能である。

第一は、中性名詞「パーラ」(彼岸)からの抽象名詞「パーラミター」(彼岸に到ること)で、

到彼岸(とうひがん)と漢訳される。

第二は、女性名詞「パーラミー」(卓越)からの抽象名詞「パーラミター」(卓越たること)で、

事究竟(じくきょう)と漢訳される。

しかし、結果として両者の語形が全同なので、両者とも波羅蜜(はらみつ)と音写され、

ともに到彼岸と訳されるようになる。

「パーラミター」(到彼岸)はボサツが修行の完成のために行なう徳目を意味する。

その教え方は四、六、十等と異説があるが、六パーラミターが標準である。

それは、布施(ふせ)、持戒(じかい)、忍辱(にんにく)、精進(しょうじん)、禅定

(ぜんじょう)、智慧(ちえ)からなる。

最初の四つの徳目は仏陀の前生話「ジャータカ」の主題である。

布施は自分の所有品はもちろん、身や命まで提供して他者を救うことで、自己犠牲が

顕著である。

持戒は清らかな生活に徹すること、忍辱は困難に耐え抜くこと、精進は努力して目的

を達成することを各各意味する。

最後の二つの徳目はのちに加えられたもので、禅定は瞑想(めいそう)ないし精神統一

のことであり、智慧は一切の行為と思考とを正しく導く仏陀の英知のことで、般若

(はんにゃ)と音写される。

ボサツは、六パーラミター(到彼岸)というボサツの徳目を実修することによって、苦悩

の現実の世界(此岸)から、理想の悟りの世界(彼岸)をめざすのである。

従って、彼岸と到彼岸とは本来の仏教においてその根幹をなす概念である。

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出典 : 成田山だより「智光(ちこう)」 2009年3月号。

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