謙譲の美徳 「 お粗末さま 」

日本経済新聞 2009年2月1日 「 食語のひととき 」 ( 早川文代氏 )に次の一文があった。
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[ ごちそうさまでした 」に対して何と返事するか。 例えば、「 お粗末さま 」という言葉が
ある。 「 粗 」は精白していない米を表わす字で、悪い、あらい などの意味だ。
「 末 」は枝の端を表わし、小さい、くず などを意味する。 つまり、「 粗末 」は作りが
雑で、よくないことを表わす。
「 お粗末さま 」は、相手に提供した物やサービスについて、謙遜(けんそん)して言う。
「美しい日本語の辞典」(小学館)の「後世に残したい日本語」の項に採録されているように、
最近あまり聞かなくなった。 食材などの金額にかかわらず、料理の作り手の技や心持ち
について述べる言葉である。 手料理でもてなす機会が減ったのか。 謙遜の美徳が失
われつつあるのか。
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お客様を歓待するため、自分で心を込めて料理を作り、それをいただいたお客様からは
「 すばらしくおいしかった。 ありがとうございました。 」のお礼の言葉がある。
そのお礼の言葉に表わされた気持に対して、料理の作り手は、「 あなたのために、精一杯
作りました。 褒めていただいて、とてもうれしい。 」の意味をこめて、でしゃばるのではなく、
控えめに「 お粗末さま 」の言葉を返す。 すばらしい言葉です。
共働きでは、自宅に人を招いて、手料理でご馳走することもなかなかできない。
外食して、店員に「 おいしかった 」と言う人も見かけない。 たとえ「 おいしかった。 ご馳走
様でした。」といったところで、「 いいえ 」と言うのが関の山か?
「 お粗末さま 」の気持ちを大切にしたいが、死後になりつつあるのだろうか?
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