長谷寺の「 だだおし 」

牡丹の花の美しい寺に鬼が暴れ回る夜
東大寺二月堂の「お水取り」と並んで、大和に春を呼ぶ火祭りとして有名な「 だだおし 」。
牡丹の花が美しいことで知られる長谷寺(はせでら)の修二会(しゅにえ)の仏事である。
修二会とは、人々の罪、過ちを懺悔(ざんげ)し、身も心も清らかになって新年を迎える
ための儀式で、「だだおし」は、2月8日から7日間営まれる修二会の結願(かちがん、
締めくくり)の日に行なわれる。
「だだおし」の語源について、長谷寺御山主(ごさんす)・小野塚幾澄(おのづか きちょう)
さん曰く、
「 由来は諸説ありますが、寺伝では、長谷寺の開山徳道上人(とくどう しょうにん)が
養老2年(718年)に病で仮死状態になった時、閻魔大王が現われ「お前はまだ死んでは
ならぬ。早く帰って観音霊場札所を開くように」と言われたそうです。 その時いただいた
閻浮檀金宝印(えんぶだごんほういん)=檀拏印(だんだいん)を、修二会結願の日に
参詣者の額に押し当て、加持祈祷をしたことから「だだおし」と呼ばれるようになったと
言われています。 」
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法要は2月14日午後4時から本堂で営まれる。 宝印の授与が終わる頃、本堂の中に
赤・青・緑の3匹の鬼が現れ、堂内で暴れ回る。 これを僧侶たちが楉(すわえ)=若枝と
牛玉札(ごおうふだ)で加持して、追い払う。
「だだおしの本番はここからです。鬼は長さ3メートルを超える大松明(たいまつ)を持って
大声を上げながら本堂の周りを歩き回ります。 それを男衆が追いかけて松明を奪おうと
する。 凶暴な鬼とのぶつかり合い。 鳴り響く法螺貝(ほらがい)と太鼓の音。 舞い上
がる火の粉・・・。 とても迫力がありますよ。 」
やがて男衆に松明を奪われた鬼たちは何処(いずこ)ともなく退散して行く。 あとに残さ
れた松明の燃えかすは、無病息災、家内安全のお守りになるといわれ、参拝者たちが
こぞって持ち帰るという。
祭りが終わると、長谷寺に再び静寂が戻ってくる。
真冬の凛とした空気の中でのお詣りは、ひときわ心に残るに違いない。
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長谷寺は、真言宗豊山派 総本山 ( 奈良県桜井市 )
「 ひととき 」 2009年2月号 ( 株式会社ウェッジ 発行 ) から。
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