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母と餅つき

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私の故郷は岡山の瀬戸内沿いの玉野というところ。
正月近くなると私の家では物置から石臼と杵を出して餅を搗く。
私が小学生の頃は父と母が二人で餅を搗いていた。
私は5人男ばかりの兄弟の長男で、体が大きかったので、中学生の頃には
母と二人で餅を搗くようになった。
10臼から12~3臼搗いた記憶がある。
おくどさんに槇で釜に湯を沸かし、その上にもち米を入れた蒸し器をかける。
蒸す時間は、確かな記憶はないが、40~50分くらいかかったのではないかと思う。
もち米が蒸しあがる頃、臼を暖めておく。薄が冷えているといい餅が搗けない。
もち米が蒸しあがると、臼の上へ蒸し器をもってきて、ひっくりがえし、臼に蒸した
もち米を入れる。そして、最初は杵でもち米をこね、いいかげん餅らしくなってから
杵で搗く。母にうっ手返しをしてもらいながら、杵を打ち下ろす。二人のタイミングが
合わないと怪我をすることになる。母と私は親子でとても気が合っていたので全然
心配はなかった。いつも母と一緒だといい餅ができた。
私は母の19歳の子だから中学生の頃は、私が13~4歳、母が32~33歳で、町を
二人で歩いていると兄弟と間違えられた。それは私自慢の美しいい母だった。
その母が1976年に亡くなってから来年ははや32年になる。
母との餅つきは昨日のことのように思い出せるが、時間はもう31年も過ぎてしまった。
思い出すとと母は昔のようにいつも微笑んでいる。

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