子供時代(26).遠足とビフテキ

春の桜の時期になると、学校で遠足があり、花見に行く。
行く先は、歩いて約1時間30分くらいのところに王子ガ嶽(おうじがたけ)という桜の
名所があって、そこへ歩いてゆく。王子ガ嶽というところは、瀬戸内海に面して切り
立った山の上にあり、上ると瀬戸が一望できる景観によいところでもある。
遠足に日は母が早起きして弁当をこしらえてくれる。細かいことは忘れたが、弁当に
は日頃食べられないビフテキと卵焼きとりんごが入っている。私は度々他人の弁当
をのぞいてみたがビフテキなんか持ってきている子は一人もいなかった。母がどう
いう気持ちで弁当にビフテキを入れてくれたかわからないが、当時の我が家の経済
状況からすると思い出す度に親のありがたさで胸が締め付けられ、涙を催す。
これだけではないが、いい親を持って我々男5人兄弟は幸せだ。
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